こんにちは。Agapeメンタルヘルスラボリンの所長を務めているゴリさんです。

今日は私の過去の失敗体験から、保育・教育者として、いつも留意しておかなければと思っていることをお話ししたいと思います。

成功させることが1番大事!!

今から過去にさかのぼる事40年前、私は子どもの野外教育の世界に身を置いていました。

民間のボーイスカウトのようなところで、毎週日曜日幼児から中学生の子どもたちを外に連れ出し、様々なアウトドア体験を通して子どもたちに集団教育をするという仕事をしていました。

その活動の毎年夏のキャンプの中に、テントと1週間分の生活用具と食料を背負って移動しながらキャンプ生活を楽しむ、てんとう虫キャンプと言う企画がありました。

日光・裏磐梯・東北横断・佐渡島一周・奥入瀬渓谷・富士樹海横断などなど、リーダーは20キロから30キロの荷物を背負い、子どもも10キロから20キロの荷物を背負い、3食全て自炊をすると言う結構過酷なキャンプを企画していました。

当時10歳から15歳の子ども達が、今は40代後半のおっさん・おばさんになり、社会の第一線で働いています。

そのキャンプの自炊における火付けでは、「紙を使ってはいけない」と言う掟があり、リーダーも子たどもちも、ナタやナイフで薪を割り、削ってつけ木を作り、マッチ一本で火をつけて自炊をしなければなりませんでした。

私たちリーダーは、子どもたちと共に火つけを行い、包丁で野菜を切って料理をして、顔中すすだらけになって毎食食事を作るという、生活そのものを楽しむ野外活動の原点とも言うべきキャンプを楽しんでいました。

そしてそのキャンプのメインプログラムが、キャンプの最終日に行われる、「紙を使わないで火付け大会」と言うプログラムで、キャンプ中毎食行ってきた火付けの成果が問われるものでした。

私は当時、この火付けについては誰にも負けない絶対の自信を持っており、子どもたちに対する教え方も当然上手で、私の班の子どもたちは、火付けを上手にできていましたので、毎食の食事の出来上がりはどの班よりも手際良く、どの班よりも早く食べることができていました。

いつでも1等賞!が本番では、、、

しかし・・・その「火付大会」の子どもの順位は?

と言うと、私の班の子どもは完敗だったのでした。

それよりも火付けの段取りも悪く、食事の出来上がりもいつも遅かったリーダーのグループの子どもの方が、上位の成績を収めることができたのでした。

失敗を体験していなといざ!という時に、、、

それは何故だったのでしょうか?

そうです、それは私の班の子たちは、火がつかないと言う「失敗」をしていなかったからでした。

失敗から学ぶ経験をしていなかったので、大会本番で生じる突然のアクシデントに、対応する能力が養われていなかったからに他なりませんでした。

反対に、日ごろの自炊で火付けの失敗を繰り返していた班の子の方が良い成績を収めることができたのでした。

私はリーダーとしてのこのときの経験が脳裏に焼きついていたので、上手に教えることのもたらす結果、その無力さが身に染みていてか?今日のこのブログのタイトルの言葉に出会った時、魂の震えを感じずには居られませんでした。

日頃の保育ではどうだろう?

私たちは保育者として、日々の保育の中で養育と教育を一体化させながら日々の保育を行い、その様々な保育の場面で子ども達に教える機会が有りますが、保育士が子ども達が求める(考える)前に先回りして助言したり、教えている事が多いように思えます。

保育者は子どもたちが失敗しないように!と言う親心で多くの助言や教えを与えていますが、もしかしたらそれは余計なお世話だったのかもしれません。

子どもたちは上手に事が運ぶよりも、経験したり失敗したりすることの楽しさを望んでいるのかもしれません。

教育の目指すところは、自立で有る事を鑑みると、私たち保育者は子供たちに対峙する時、子どもたちに投げかけるこの言葉は、今ふさわしい言葉だろうか?

と、今一度咀嚼してから投げかけて行きたいと思うのです。