新しい保育士さんが入ってきて、子ども達と対峙した時に一番初めに困る事が、子どもが危ない事をしたり、トラブルが生じた時にどの様な対応をしたら良いか?と言う事があります。

この様な時の対応方法として、多くの保育所は、子ども達に対する対応を一律化する為に、園のルールを作って子ども達を管理すると言う方法をとります。こうする事により保育士さん達は子ども達を管理しやすくなりますが、園の中のルール(お約束)はドンドン増えていく事になります。

先日、家の園でも保育士さんから以下の様な提案があったので、園のルールについて考えてみる事にしました。

保育士

高い所・危ないところに子供たちが登って注意しても、全然やめてくれない・・・これをどうしたら良いのだろうか?登ってはいけないと言うルールや約束を作ってはどうだろうか?

と言う提案でした。

保育士の立場からすると、このルールを作り守ってくれれば、転落の事故は減ることになるし、事故を起こしたことの謝罪がなくなるかもしれません。
保育所で起きた事故はすべて保育所の責任❗️と皆こういう覚悟を持って仕事をしていると思います。
園長とすれば、そんなリスクを減らすためにも、ルール化させて守らせた方が楽かもしれませんね。

ちなみにゴリさんの園ルールは

1.プログラムの移り変わりは、お座りトン!のお背中ピー!をして保育士から名前を呼ばれたものだけが移れる。
2.喧嘩をしたら仲直りができるまで次の遊びは移れない。
3.おもちゃ遊びをしていて、次のおもちゃをする場合は、おもちゃを片付けなければ次のおもちゃへは移れない。
4.室内玩具エリアの所へ、室外エリアのおもちゃで侵入してはいけない。

この4つのルールは、園の秩序を保たせるためにも重要なルールで、子ども達や保育士が皆win winで生活させるために作られたルールで、守らないと損をし、守れれば得があるルールです。
具体的な解説はこの場では致しませんが、ルールと言うものは本来そういうもので、守る方・守られる方、双方の益があって成り立つものでなければならないと思っています。

この原則に当てはめて、高いところに登ってはいけないと言うルールを作ったとします。子どもが高いところに登ってはいけないと言うルールを守れば、怪我をする確率が少なくなると言う益はあるかもしれませんが、子どもはルールを守ると楽しいことができなくなったと言う損した気持ちになり、そしてつまらなくなる・・・
保育士に注意されてむしゃくしゃすると、今度は自分より弱い者を攻撃するようになる。
子ども達のためにと思いルール化したとしても、これによって反対に園のトラブルも増え、意地悪な子が増えてくることになる。
ルールが多くて、保育士に怒られて注意されてばかりいる園は、事故は少なくなるかもしれませんが、喧嘩やトラブルの多い園になってしまうことになるのです。

じゃあどうすればいいんだ!と言うことになります。
高いところに登ったり、危ないことをする子がいたらどうするか?
まずは危ないことをしている子のところに行き、転落したときのことを考えて下で保護する体制を作る。
これは野外でのアスレチック遊びにおいての注意事項として、以前からお話しして実践していると思いますが、室内遊びにおいても同じことだとゴリさんは思っています。
子どもが高いところに登りたいと言うのは本能だし、楽しいことですからね❗️それを止めさせてしまったら、伸びようとする子どもの好奇心や、運動能力に制限をかけてしまうことになりますからね!

あともう一つは、全体を見る係が、子どもの楽しみの欲求を満たしていないために、高いところに登り危ないことをしていると言う可能性です。
要は私は暇だよー❗️と言うサインを出している。と見ることができないでしょうか?
そういう時って、プログラムの切れ目でおもちゃを片付けてしまっていたりして、子ども達の遊びの集中の糸が切れて手持ち無沙汰になっている時ではないでしょうか?
つまり保育士が、子どもの心の状態を把握できずに、危険なことをしていると言う表面的な現象のみに目を奪われて、安全を守ると言う口実に、保育士の都合の良いように(ルールを作って止めさせた方が保育士が安心できる)ルールを作ろうとしていることになるのではないでしょうか?

ここで面白いアメリカの研究論文を紹介したいと思いますが、これはメンタリストだいごさんがYouTube動画の中で発信しておられた内容です。
アメリカの成功者の家の教育環境と、成功者ではない家の教育環境を比べたとき、どのような差があるのだろうか?と言う研究論文を行ったチームがありました。
その研究論文によると、成功者の家のルールは、成功者でない家のルールの数が、600分の1であったと言うものだったそうです。
要はどういうことかって言うと、成功者の家庭には、子育てにおけるルールと言うものが1つしかなく、成功者でない家のルールはなんと600もあったと言うことなのです。
つまり子育てにおいて、ルールが少なければ少ないほど、成功者の教育に近づいてくると言うことになります。
反対にルールを作りすぎると、子どもを成功者に導く事は遠のいていくと言うことになると言う事ですね。

皆さんのご自宅にも、保育所にもいろいろなルールがあると思いますが、ちょっと考えさせられる研究結果だと思いますね。
私たち大人は子どもを愛するが故に、危険から守るために子どもの動きをルールと言う名のもとに、大人の都合で縛っていることも多いと思います。

ここに入っちゃダメ!ここのぼっちゃっだめ!公園のお約束はこうね!給食は嫌いなものでもひと口食べようね!とか・・・園によっては部屋の中で走ってはいけない!なんて言う信じられないようなルールがあるとこもあるみたいです!

私が思うには、ルールが多いところに、成功者の特質と言える、非認知能力や主体性が育ちにくいからではないか?と思いますが、皆さんは、ご自身の保育や育児を顧みられてどのように感じ考えられますでしょうか?
是非、今後の皆さんの園のルールを考える上での糧にして頂けたら嬉しく思います。